大会長挨拶



第8回日本総合歯科学会総会・学術大会大会長

岡田 智雄

(日本歯科大学附属病院 総合診療科)


この度、第8回日本総合歯科学会総会・学術大会を、平成27年11月20日〜22日の3日間、日本歯科大学生命歯学部において開催させていただく運びとなりました。今回の学術大会は平成26年に協議会から学会に移行し3回目となります。第1回の学会より歯科における総合診療の在り方が議論されてきましたが、昨年には認定医制度が発足、学会員として身に付けるコンピテンシーが明確化され、学会の方向性はほぼ確立したものと考えられます。そこで今回は、総合歯科と様々な領域との関連性について考えるため、「総合歯科からはじまるリレーションシップ」をテーマとさせていただきました。この「はじまる」は歯科医療の基本がここから「始まる」という意味とともに、歯科学生、研修歯科医師が生涯学修をスタートさせるという意味での「始まる」でもあると考えています。

 今回は、特別講演を2題、企画しました。まず、特別講演Tは統合的心理療法研究所の平木典子先生をお招きし、「歯科医療関係者のためのアサーション」と題して、講演をいただきます。アサーションは対人スキルの一つと思われていますが、実は対人関係における基本的な態度を示すもので、その底流には人権に対する考え方が反映されています。医療者としてのプロフェッショナリズムとも深くかかわり、日常の対人関係にも応用できる幅広い内容となる予定です。特別講演Uは日本歯科医学会会長の住友雅人先生による日本歯科医学会が考える歯科の未来像と、歯科医学会からの総合歯科学への期待、についてご講演をお願いしています。さらに、教育講演として、昨年まで本学会理事長を務められた小川哲次先生による「総合歯科学会のビジョン」と題したご講演を企画しており、本学会の過去・現在・未来について、ご講演頂く予定です。さらに今回の学会テーマに沿ったシンポジウムも企画しております。日本総合歯科学会が今後どのように発展し、歯科界に対しどのような貢献をしていくか、会員の皆様とともに考える機会となれば幸いです。どうかご期待ください。